学校ブログ

「誰かのために生きる」

後期が始まりました。

10月21日の後期始業式の日は本校の守護者聖ヴィアトールの記念日/創立記念日でもあります。例年、始業式に続いて、記念ミサと講演会が行われます。

今年の記念ミサは、アンノ菅原友明神父の司式によって厳かに行われました。

  

閉祭の歌は聖ヴィアトールを称える「Triomphe」。会場中に高らかに歌声が響きました。

休憩の後は記念講演会です。今回は、九州大学准教授で現役マルタ騎士団ナイト(カトリック信者)でもある武田秀太郎さんにお願いしました。武田さんはこの講演のため、当日の朝に福岡を出て、講演後すぐにとんぼがえり、というハードスケジュール。いろいろな方面で活躍されて超多忙の武田さんですが、昔から「頼まれたことは断れない」性格とのことで、今回の講演依頼についても快く「喜んで!」とお引き受けくださいました。講演のタイトルは「救貧と信仰の守護者 1000年続くマルタ騎士団と考える『誰かのために生きる』」。

講演の内容は、中学1年生にもわかりやすいもので、世界史の知識も織り込みつつテンポよく進み、生徒たちもぐいぐい話に引き込まれていました。武田さんの「誰かのために生きる」という姿勢は、決して滅私奉公的な、犠牲的精神からではなく、純粋に困っている人を助けたいという思い、つまり愛から発することなのだなということが、生徒たちにも伝わったと思います。そしてなによりも「人のために何かする」ことも「頼まれたら断れない」ことも、それが自分の人生をも豊かにする糧となり喜びとなる、という姿勢は素晴らしいと思います。

私(たち?)はともすれば、誰かに何かを頼まれても、「多忙だから」とか「そんな能力ないから」、「迷惑かけるから」と断ってしまう。でもそれは自分で自分の限界を設定し、可能性の幅を狭くしているだけで、とてももったいないことをしているのだなとしみじみ思います。

「情けは人のためならず」という諺は、近年耳にしなくなりましたが、カトリックの精神、中世騎士の精神、仏教の精神すべてに、「『誰かのために』が自分の喜びとなる」という考えは共通していますね。このことが若い人たち、とくに洛星の生徒たちや若い先生方の励みになればと願っています。

校長