秋といえば
秋と言えば、野山の風景も美しいですね。。昔から錦に例えられる紅葉にはまだ早いですが、コスモスやススキ、萩の花が今真っ盛り。吾こそは秋の野の主役と競っています。先日娘が奈良明日香を訪れた時の写真、夕空が美しいのでいただき!秋だなあ~~。今年は猛暑が長引いたせいか、ヒガンバナも半月遅れのようです。
私が学生の頃に明日香村を歩いた時、ワレモコウがたくさん生えていたのが印象的で、以来、赤とんぼとワレモコウとススキが秋の私の中の野の定番となりました。その後生け花などでワレモコウを花屋さんで仕入れてアクセントに用いたりしましたが、だいたいが赤っぽいチョコレート色で、「ワレモコウ(吾亦紅)」という名の意味などあまり考えなくなっていました。ところが、この夏訪れた信州車山高原にたくさん生えていたワレモコウは、鮮やかな深紅色をしていて、まさしくその名の通り「吾亦紅=吾も亦た紅なり」と主張していました。(もちろんススキもたくさん、赤とんぼも渋谷のスクランブル交差点を超える「人出」でした)。ワレモコウの名前の由来には諸説あるそうですが、学生時代「吾亦紅」という名とその由来を聞いて、なんとなく惹かれたことを思い出します。その奥ゆかしいたたずまいの中に律狩りと誇りと主張を持った花。京都市中ではなかなか見られないのが残念です。
さて、前号ではオーストラリアからの高校生との交流をご紹介しました。期を逸しておりましたが、実は夏にもハーバード大学からの学生が訪れてくれ、茶道部と高3有志と交流の時をもちました。3人の大学生のうち、1人が本校中学1年生のお宅にホームステイしていたご縁で実現したこの交流会。初めの計画では高校生の授業時間を使っての交流を考えていたのですが、予定があわず夏休みになったため、小さな交流会となりました。
まずは茶室で茶道部員が季節の生菓子と薄茶でもてなし、茶の湯のことや祇園祭のことなどを話題に、続いて高3生とは、会議室で大学での学びについて語り合ったり、校内を案内したりして、あっという間に時が過ぎました。
このような小さな交流が、実は洛星にはよくあります。これからも国内外を問わずたくさんの方と鯱張らない交流の機会を持てればと思います。
小さな「吾亦紅」の花のように。
校長