学校ブログ

お見舞い申しあげます

今年の1月1日に発生した大きな地震以来、度重なる余震、進まぬ復興に不安と焦燥が募る能登半島の人々が、先日の大雨によって今度は洪水・土砂崩れに巻き込まれてしまった。地震発生以降インフラ再建がままならず、孤立状態、あるいはそれに近い状態となったままの集落がまだある。塩づくりが再開された、どこそこの町で輪島朝市の出店があった等々、何となく明るいニュースにばかり目が向けられ、取り残されている人々にどう寄り添えばよいか、あまり真剣に考えられてこなかった感がある。東北大震災の時もだが、地方での被災地で復興が進まぬのは、都市部で予定される国際イベントを優先させているからではないか、などいろいろな憶測・批判がなされている。「そんなことは全くない」と誰も自信と責任をもって断言できない状況に半ば呆れつつも、どこか他人事として日々安穏と過ごしている自身の姿勢を省みる。

先日の第73回洛星中高文化祭で、茶道部(私は顧問の一人です)は、久しぶりに茶会券を販売し、「チャリテイー茶会」を行った。

 

お蔭様でたくさんのお客様に来ていただき、お抹茶やお菓子などの必要経費を差し引いた3万5千円を能登に送ろう、と先週はじめに部員たちと相談して決めたばかり。生徒会主催のバザーでは、カンボジア、赤十字、国境なき医師団などいろいろ収益の寄付先候補があったのだが、茶道部で能登にと決めたのは、やはりどこか茶道に関わりがある方がよいだろう、輪島塗の土地でもあるから、という軽い気持ちであった。また、顧問の一人コレット・モーリン教諭が奥能登黒島地区を春に訪れた時の状況を、始業式で全校生徒に話し、「Just do it!」と、ナイキの英語スローガンを引用して、自分たちで何かできることをとにかくやってみよう!と力強く語りかけてくれたことも理由の一つである。3万5千円という金額は「ライオンの口にゴマ粒を投げ入れるようなもの」かもしれない。しかし、お金を送っただけで終わらせず、能登のこと、災害のこと、高齢集落での農業のこと、行政のこと……いろいろなことを生徒とともに考えていかねば、と改めて思う。

次回、「東北に学ぶ」宗研の夏の取り組むや文化祭での展示発表を紹介し、これまでやってきたこと、今やれること、これからやるべきことを皆で共有していきたい。

能登半島の人々に一日も早く平穏な日々が戻るよう、お祈りしています。

校長