学校ブログ

高校演劇団体鑑賞「爺さんの空」

7月4日(木)、立命館大学を会場にお借りして、演劇鑑賞を行いました。

 

第二次世界大戦での特攻隊をテーマとした重い作品でしたが、生徒達はしっかりとメッセージをうけとめたようです。残念ながら私は所用のため鑑賞できませんでしたので、高3主任に生徒コメントをいくつか選んでもらいましたので、以下に紹介いたします。

 

 

高2足立さん

上演中、田中角栄の「戦争を知っている世代が政治の中心にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない。だが戦争を知らない世代が政治の中枢になった時はとても危ない」という言葉が頭を支配していた。我々は戦争を知っている世代から2世代も離れている。どうしても、戦争の体験をした・戦時中を生きた体験のある人との差は埋まらないのだなあと思った。そして今、戦争を知らない世代が政治の中枢におり、この先もそれは続く。戦争当時のことについて学ぶことは日本の教育において大事なことだと強く思った。

 

高2吉岡さん

演劇部音響・照明として、舞台演出は全て考察しようと考えていましたが、キャストの皆さんの演技にすっかり引き込まれてしまって、気持ちは鹿児島にいて戦争の苦しさとか、その中にある和やかだったり勇ましかったりする雰囲気に浸ってしまって研究が全くできませんでした。気づけない音響・照明でした。目指すところです。出来ればもう2週くらい観劇したいです。自分の先祖がいつか平和になる時代が来ると願って必死に戦ったということを強く意識しました。自分は今、平和な日本で過ごせているということを非常にありがたく思います。その遺伝子も意思も継いで今を生きていると思うと、頑張らざるを得ないような勇気が湧いてきます。
そして、戦争を繰り返さないように、いつかみんなが地球人としていられるように未来を作っていかなければならないと考えています。

 

高3宍倉さん

痛みという身体感覚を通して生を実感する場面、大変感動しました。正直、勝つか負けるかのわからない戦いに身を殉じ、上からの命令はお国のために突っ込めと、もはや個人を個として見ておらず、一、二…と数でしか数えられない中で、痛みを通じて一人一人が生きていると再認識する。そして、自分たちにできることは将来の日本が少しでも平和になっていることを祈るだけ。この無慈悲でかつ残虐な死の中にあった希望。この記憶を記憶で終わらせないためにも、記録する必要があると、大変勉強になりました。

 

最後に高2担任で演劇部顧問でもある片山先生から:

今回、演劇の上演という点ではなかなか難しい会場であったにもかかわらず、劇団の方々の工夫と労苦の甲斐もあり、生徒たちは舞台に釘付けになっておりました。理不尽な運命に翻弄された戦時の若者たちの悲痛な思いに、皆共感を寄せていた様子でした。読書体験とはまた異なる、演劇鑑賞を通じた「体験」を経て、新しい自分を見出してくれたのではないかと思います。会場を貸して頂いた立命館大学、および上演して頂いた劇団アンファーの方々にはあらためて御礼申し上げます。

 

 

IN TERRA PAX!

この世が平和でありますように。(校長)