小さな宇宙
本校西側校舎2階の中学1年生の教室北側には、明り採りのために「ライトコート」があります。樹木や苔などが植えられているちょっとした坪庭なのですが、ここに、山鳩が巣を作ってひなを育てていたり、昆虫が遊びにきたり…。
時おり観察すると、いろいろな発見があります。
先日、ここに大きなキノコが生えていました。第一発見者の先生が図鑑などで調べたところ、どうやら「チャタマゴダケ」ではないかという由。美味らしいのですが、さすがに冒険して味見するのは控えました。少々心残りです。
こんな校内の片隅にも色々な生命の営みがあるのだな、などと考えつつキノコをみていると、金子みすゞの「はちと神さま」という詩を思い出しました。次のような詩です。
「はちと神さま」
はちはお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土塀のなかに、
土べいは町のなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神さまのなかに。
そうして、そうして、神さまは、
小ちゃなはちの中に。
金子みすゞ
もうすぐ夏休みも終わり、生徒たちが教室に戻ってきます。
日々の慌ただしさのなかで、「ライトコート」に目を凝らすこともなかなかできなくなるでしょうが、ふとした瞬間に小さな空間の中の宇宙を見てみたいものです。
校長 小田